2024年5月4日〜5月26日の3週にわたり開催された第107回ジロ・デ・イタリアで、タデイ・ポガチャル選手(UAEチーム・エミレーツ)が個人総合優勝に輝きました。総合成績では2位との差を9分56秒まで拡げ、圧倒的な強さを見せての勝利でした。また今大会区間6勝を挙げ、第2ステージでマリアローザを手に入れて以降は、その座を明け渡すことなく総合優勝を獲得しました。山岳賞 マリアアッズーラも同時獲得し、チームが一丸となって成し遂げた勝利によって、グランツールの歴史に名を刻みました。
さらに今回の大会では、多くの歴史的記録を残しました。2位との差9分56秒という記録は、ビットリオ・アドルニが11分26秒差で制した1965年大会以降、最大のタイム差となりました。また、同一大会での区間6勝の記録は、1973年のエディ・メルクスまで遡ります。
今年はツール・ド・フランスへの出場も決定しており、ポガチャルには1998年以来のダブルツール達成が期待されます。
タデイ・ポガチャル 勝利への道程
2級山岳を含む丘陵ステージで幕を開けたジロ・デ・イタリア2024は、第1ステージこそスプリント勝負に敗れたものの、第2ステージでは1級山岳オロパでの山頂フィニッシュで早くもマリアローザを獲得しました。その後もスプリントステージでアタックをかけるなどアクティブなレースを展開し、第7ステージ 40km個人TTでは、タイムで先行するフィリッポ・ガンナ(イネオス・グレナディアーズ)を登坂区間で17秒上回り2度目の区間優勝を獲得しました。
続く第8ステージ、3つのカテゴリー山岳が登場する難易度の高い山頂フィニッシュで連覇し、ポガチャルは3度目の区間勝利を手にしました。1級山岳プラティ・ディ・ティーヴォ(距離14.6km/平均7%)ではラファウ・マイカ(UAEチーム・エミレーツ)による高速牽引によって多くの選手がちぎられていき、ポガチャル個人の力のみならず、UAEチーム・エミレーツの選手やチームの力が示された日でもありました。
話題に事欠かなかったジロ1週目ですが、第3ステージ以降のポガチャルのマリアローザ姿には、さまざまな変化もありました。コルナゴのレーシングロードバイク V4Rsはダウンチューブロゴやヘッドチューブロゴなどがマリアローザカラーに変更されました。また、ビブショーツはブラックやバイオレット、ピンクなどいくつかのバリエーションが見られました。
第11ステージでは、事前の予想通りにスプリント勝負が繰り広げられ、フアン・モラノがゴール前スプリントに参加。コースに恵まれず悔しくも5位のゴールとなりました。その後も、UAEチーム・エミレーツがプロトンをコントロールしながら、ポガチャルはマリアローザをキープし、ジロ・デ・イタリア2024のクイーンステージとなる第15ステージを迎えました。
獲得標高差5,700m、走行距離は今大会最長の222kmに及ぶ過酷なステージで、合計5つの峠に挑むステージでした。途中、逃げ集団に4分半の差を許したプロトンは、UAEチーム・エミレーツがペースをコントロールし、2連続する1級山岳の1つ目、パッソ・ディ・フォスカーニョ(距離14.6km/平均6.5%km)で、最終アシストであるラファウ・マイカが先頭に出ると、ペースを一気に上げ、頂上まで5km、フィニッシュまで残り14km地点で、ポガチャルが早くもアタックをかけました。ハイケイデンスでみるみると後続との差を引き離したポガチャルは、そのまま単独で標高2,385mの頂上にフィニッシュ。昨年末からこのステージを意識していたと答えたポガチャルは、狙い通りに見事、クイーンステージを制しました。
荒天の影響で短縮コースとなったジロ・デ・イタリア 第16ステージ。チーマコッピがコースから除外され、2級山岳の山頂フィニッシュ118kmのコースとなりました。フィニッシュに近づくと再度ラファウ・マイカによる牽引でみるみる集団を引き離し、最後にはポガチャルが逃げ選手を次々と追い越して、圧巻の区間5勝目を手にしました。ゴール地点では今大会の勝利数を指折り数える余裕も見せ、この時点で個人総合2位のダニエル・マルティネス(ボーラ・ハンスグローエ)との差は7分18秒に拡がっていました。
最終局面を迎えた第20ステージでは、1級山岳モンテ・グラッパを2度登るという過酷なステージを、ポガチャルは34km独走して制し、区間6勝を獲得。2位との差を9分56秒まで拡げて個人総合1位を勝ち取りました。第20ステージでは、V4Rsもオールマリアローザカラーにバージョンアップ。ヘルメットからシューズまで全身ピンクに包まれたポガチャルと共に、総合優勝の瞬間を迎えました。
喜びに包まれた最終日のパレードランでは、UAEチーム・エミレーツは選手全員にピンクをあしらった特別ジャージを用意。コルナゴも、選手全員のV4Rsのロゴ部分をマリアローザカラーに仕立てたロードバイクを用意しました。
タデイ・ポガチャル選手優勝コメント
「ジロ・デ・イタリアでの優勝は夢でしたが、それが叶ったのは想像超える素晴らしい体験でした。シーズン前半の大きな目標として取り組んできましたので、この後は少し休息をもらってシーズン後半のもう一つの目標に向けて準備を始めたいと思います。今から待ちきれません。レースに勝つことは素晴らしいことですが、今回のジロでの勝利は特別であり、信じられないことです。チームのメンバーとは、1冊の本にまとめられるくらいに多くの素晴らしい思い出があります。」
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■V4Rs プロダクトページ